深夜アニメに革命をもたらすとまで言い切った、期待の作品であったコードギアス。近年におけるアニメの品格の低下を打破し、お約束を知りつつも、それを裏切りながら進む怒涛の展開。このまま行けば、新作深夜アニメ、いやアニメ史上、原作のないアニメで文句なくのナンバーワンの作品となると私は自負している。だが、このアニメが凄まじくなればなるほど、アニメを楽しんでいる私は色々と考えさせられる。


 今回のブログは「真面目路線」と「純粋な路線」の二つで、第16話までのコードギアスについて語って見たいと思う。


 私がコードギアスでブログを初めて書いたのは4話の時だったが、あれから順調に視聴者は増え続けたようで、アメブロのお気に入りテーマをみるだけで、その人気のほどが伺える。話題のアニメ作品ランキングでも、コードギアスの人気は凄まじい。


 一時期は、ガンダムSEEDと比べられることが多かった作品だが、大体の感想において、ほとんど別物という認識も出てきていると思う。サンライズが制作している以上は、ガンダムと似ている部分が多いのは、致し方がなく、ロボットアニメという視点からみれば、ガンダムに影響を受けない作品は皆無といっていいので、良い意味でのガンダムの影響を受けつつ、主人公ルルーシュの行動に少しも眼が離せないのは、まったくもって先の読めない物語の展開であろう。


 多くの伏線を随所に張っているのだが、その伏線がまた、良く見ておかないと見落としてしまう。たった、数秒移した絵や写真やら、情景がとんでもない伏線になっているのが面白いし、何度見直しても楽しい。例えば、もう一人のギアス使いで物語をさらなる混沌へと引きずり込んだマオ。


 


 最初に登場した話を覚えているだろうか。実は12話、シャーリーが父親の死を見取る前に現れている。ビルの上から、何を確認していたのか疑問に思っていたが、実はもう一つのギアス、「他人の思考」を読む力で、ルルーシュの思考を読んでいた。しかも、500m圏内なら読み取れるというので、あんな上から、誰にも悟られずにルルーシュの動きを把握していたことに気付く。


 マオの性格が豹変しているのは、ギアスの設定上は当然といってもいいので、マオという行動のキャラは性格や思考がああなったのは、必然であろう。他人の思考を普段から読み、しかも、本人の意思に関係なく、耳に入ってくるなら誰でも狂ってしまう。なので、マオについては一切触れない。


 ある意味、最強であるギアスの持ち主で、ブリタニア軍に加勢すれば、一話でコードギアスが終わってしまう危険極まりない存在だった。そして、心理戦では圧倒的に有利で、視聴者はこいつをどうやってルル(そういえば、この呼び方で呼ぶのはシャーリーだった)が始末するのか、非常に楽しみであっただろう。面白いことに始末した後に、スザクの重要な伏線(なぜ、軍人になったのか)まで明らかにするというプレゼントまでくれて、マオは敵役としては、物語をさらにあらぬ方向へと導いた。お役目としては素晴らしい。人気は取れないと思うがこういうキャラは重要だ。


 さて、マオが残した重要な伏線と結果が私が思うには5つある。どの伏線も重要であるので、重要さのランク付けは難しいが、一つずつあげていく。


 1.「スザクの過去」


 スザクの過去を聞いたルルーシュは今度どう出るのか。スザクの異常なまでの、紳士ぶりや正義感の答えが明らかになった。それを聞いたルルーシュはいかなる行動に出るのか、またスザクがおそらく、ユーフェミアの騎士になると予想するので、一気に出世の階段を登り詰め、軍の内部把握ができる場所にまでたどり着くことでの、’駄目なら中から変えていく’というスザク理論がどう出るか。白すぎたスザクは、過去では黒すぎたという。ここだけの話でも、コードギアスは十分面白いし、いくらでも語れる。本当にスゴイ作品である。


 2.「シャーリーとの訣別」


 シャーリーに自分がゼロであるとばれてしまい、自分に関するすべての記憶を消してしまったルルーシュ。ルルーシュはいつものシャーリーをしっていても、相手は何も覚えていない。学校ではしばらく、他人の振りプレイでごまかすそうだが、実際、これは無理があるだろう。もしかすれば、シャーリーがそのことに気付く可能性もある。証拠はすべて隠滅したとしても、今までの行動が消去されてしまったのは、あくまでもシャーリーのみである。ルルーシュは記憶を消して後悔していたが、立ち止まることは許されない。そして、ルルーシュは自分が起こした行動の結果を再確認させられ、さらなる覇王の道へと突き進む結果に。個人的にはやりすぎだと思うのは、私の甘い性格だろうか。


’王の力は自分を孤独にする'。一話で契約の時に、C2が語った言葉だが、まさにあてはまる。


 「私、さっきまで何しにここまで来たのかわかんなくなっていたんですけど……、もしかしたら、何か、区切りをつけたかったのかもしれません。そりゃあ、忘れる事なんてできっこないし、悲しい事っていっぱいあるけど……。でも、朝は来るじゃないですか。だから、無理して抑え込んでも……」


 シャーリーがルルに記憶を消されて墓前で語った言葉である。なんとも切なさを感じさせられずにはいられない名言であろうか。ルルーシュにとっての朝とは・・・。私は夜しかこないような・・・。これも最初のEDで夜の路地で一人佇んでいるルルーシュを思い出す。


 「・・・今まで、ありがとう」


 この言葉もまた名言であろう。コードギアスは本当に言葉使い方が巧みである。個人的には、またシャーリーがまたルルーシュを好きになることを望むが・・・その期待は少ないだろうな。残念だ。


 3.「ヴィレッタの記憶喪失」


 シャーリーとは別に、もう一人ゼロの正体を知った、大人気のオレンジことジェレミアの元部下。記憶をなくし、髪をしたに下ろして、なぜか別人のような性格になり、これから人気が出そうな予感がする。というか、レジスタンスと繋がりをもったことで、いつ記憶を思い出すのか、実に楽しみであり、また物語を一瞬で終わらす、危険な存在にもなっている。オレンジの再登場はあるか、第二話でルルーシュがギアスを使って、彼女を操ったのが、シャーリーとの別れの伏線になるとは誰が予想できたか。できるわけない。


 4.「ナナリーに関する伏線」


 ナナリーは自分が浚われたことで、ルルーシュに身の回りに起こっている変化に気付いたであろう。少しずつ、それを感じていたようだが、今回の件では、その不安が現実のものとなってしまった。気のせいには出来ないと思われるので、今度、ナナリーがどうするのか、注目したいと思う。もう、ここまでくれば、ルルーシュを止められるのはナナリーとスザクしかいない。二人でも止められるかどうか・・・ナナリーにギアスを使う日が来ないことを願いたい。


 5.「別のギアスの存在」


 マオがギアスの持ち主だったことで、このとんでもない力は個人差があることが明らかになった。C2自体は能力を選べないようなので、今後、どのようなギアス使いがルルの敵として現れるかの大きな伏線となった。しかし、どの事実一つ取っても、物語を終わらせてしまうという、爆弾級の出来事ばかりで、良くここまでやっていると思う。これを作った関係者にはこの場で賞賛しておきたい。ありがとう。とても面白い作品です。26話でどうやって終わるのか不思議でならないが、中途半端で終わらないことを願います。


 他にもあるかもしれないが、今、思いついたのはこの5つ。この結果や伏線だけでも、一ブログできそうな内容てんこ盛りで、しかも、私の個人的気にいっているロイドが、実は伯爵で、ミレイのお見合い相手だった事実が素直に楽しい。


 しかも、即答で結婚しようといっていたのが最高!ロイドとセシルにも何か過去があるようなので、これが今後どう関わるのか・・・。というか、ミレイは本当にどうするのか?結構、似合いの相手かと納得してしまったのは私だけか。政略結婚なのはいうまでもないが、今後どうなるか、これもまた注目であろう。さりげなく別の伏線、ルルーシュの正体にも関わるかもしれないし・・・考え出したらきりがない。


 というわけで、物語も半分を迎え、ますます眼が離せなく、全力で追いかけたい作品に進化していったコードギアス。今後どうなるか、実に楽しみでならない。